36歳からの不妊治療 ~卵巣年齢は閉経前~

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卵巣のう腫 境界悪性 ~7キロの腫瘍~vol.2

日本に帰国してから、最初に行ったのは母の知り合いのクリニックだった。

 

事前に話を聞いていたのか、胸部、腹部のエコーから始まった。

しかし、診察はすぐに終わった。

 

済生会に紹介状を書くから、すぐに行ってください」

 

このとき、私は内心ホッとしたのだ。

「新しい職場を断ってまで日本に帰国したのに、なんの病気もなかったら…ただの意気地無しになってしまう…」

日本に帰国してから、私の心の中はこんな思いでいっぱいだったのだ。

 

そして、翌日だったと思うが、紹介状をもって、済生会に行った。

 

診察をしてくれたのは、若い女性の先生だった。その先生よりもまだ若い研修医もいた。すぐに内診とエコーをした。

 

先生に

「今日は誰かと一緒にきてる?」

とたずねられ、母と叔母も一緒に話を聞くことになった。

 

「腫瘍がここまで大きくなっています。」

と胸の下に手をあてた。

「恐らく悪いものではないと思いますが、こればかりはとって検査しないとわかりません。腹腔鏡という手術方法もありますが、ここまで大きくなっていると、開腹しかありません。しかし、よくここまで我慢していましたね…」

 

GW前だったので、手術、入院はGW明けとなった。

 

手術はうまくいった。お腹の中にあった腫瘍は7キロにまで増大していた。手術後、初めて立ったとき、あまりの自分の身体の軽さに驚いた。胃が圧迫され、最後は食事もとれていなかったため、術前より10キロ体重が減っていた。

 検査の結果、

「左卵巣のう腫 境界悪性」

という診断だった。

境界悪性というのは、

「極めて悪性度の低い癌」

ということだった。

抗がん剤をするかどうかも聞かれたが、母の助言もあり、抗がん剤はやらないことになった。

 

あれからもう10年。

先生には

「子供を産むまではフォローが必要よ。でも、卵巣は1つでも妊娠はできるから」

といわれていた。

 

だから、術後はずっと検診に行っていた。身体の調子が悪くなったり、疲れたりすると不正出血があったり、生理不順になったりもしたので、その都度婦人科にも行っていた。

 

結婚すれば、子供も授かると思っていた。

 

しかし、不妊治療のために病院を訪れ初めて、自分は妊娠しにくいという事実を突きつけられた。

 

 

婦人科が弱いこともわかっていたし、妊娠しやすいとは思ってなかったが、ここまでとは思っていなかった。

結婚して4年だが、結婚してすぐに治療を始めていれば…もっと生活に気をつけていれば…

と何度も思った。

 

だから、若い人たち、今、妊娠を望まない人も、自分の身体がどんな状態なのかを知っておくべきだと思う。

そこからどうするかはその人次第。でも、妊娠したいと思ったときに

「あのときこうしておけばよかった」

「もっと前に始めていれば…」

と思う人が少しでも少なくなればいいなと思う。